行政書士への道:憲法・統治機構編 第4回「内閣の地位と組織」を徹底解説!

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皆さん、こんにちは!行政書士の勉強、順調に進んでいますか?

前回は、国会の非常に多様な「権能」について学びました。今回は、統治機構のもう一つの重要な柱である**「内閣」**について、その地位と組織を徹底的に掘り下げていきたいと思います。行政権の中心である内閣の仕組みを理解することは、試験合格はもちろん、実務においても必須の知識です。

1. 内閣の「地位」とは?

まず、内閣が日本の統治機構においてどのような位置づけにあるのか見ていきましょう。

1-1. 行政の最高機関としての位置づけ

日本国憲法第65条には**「行政権は、内閣に属する」**と明確に定められています。

これは、国会で決められた法律や予算に基づいて実際の政治を行う「行政」の最高責任者が内閣であることを意味します。内閣は、すべての行政機関を指揮・監督する役割を担っているのです。

行政とは?

国家作用から立法(国会)と司法(裁判所)を除いたもの、つまり国が定めた法律を執行することであるとされています。

1-2. 議院内閣制の中核

日本の政治体制は**「議院内閣制」**です。これは、行政権を持つ内閣が、国会の信任によって成り立つ制度を指します。

  • 内閣総理大臣は、国会の議決で指名されます。
  • 国務大臣の過半数は国会議員から選ばれなければなりません。
  • 内閣は、行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負います。

このように、内閣は国会と密接に結びついています。

1-3. 国会との関係

国会と内閣は憲法に基づいて相互に影響し合う関係にあります。特に重要なのが、前回も少し触れた衆議院の**「内閣不信任決議権」**です。

衆議院が内閣不信任案を可決すると、内閣は10日以内に総辞職するか、衆議院を解散して総選挙を行う必要があります。内閣は国会の信任を失った場合、連帯して責任を取る仕組みが機能するのです。

1-4. 首相の指導力と「官僚内閣制」の課題

戦後の日本国憲法は、明らかに**「強い首相」**を想定していました。憲法第72条により、内閣総理大臣は内閣を代表して議案を国会に提出し、行政各部を指揮監督するとされています。

しかし、これまでの日本の政策決定システムにはいくつかの問題点が指摘されています。

  • 官僚内閣制:本来、首相が方針を決め、各大臣が実行するはずが、その協力関係ができておらず、実質的に官僚が政策を主導してしまう状態。
  • 政府・与党二重政府体制:内閣と政権与党が別々に政策を動かそうとするため、調整が二重になり、意思決定が遅れる問題。

2. 内閣の「組織」について

次に、内閣がどのような人々で構成され、どのような機関があるのかを見ていきましょう。

2-1. 内閣の構成員

内閣は、**「内閣総理大臣(首相)」と、総理大臣が指名するその他の「国務大臣」**で構成されます。

  • 大臣の人数:内閣法により、首相を含めて14人以内とされています(特別に増員し17人以内とすることも可能)。
  • 文民統制:内閣総理大臣とその他の国務大臣は、文民(軍人ではない者)でなければなりません。
2-2. 内閣総理大臣・国務大臣の任命
役職選出・任命方法
内閣総理大臣国会議員の中から国会の議決(首班指名)で指名され、その指名に基づき天皇が任命します。
国務大臣内閣総理大臣が任命し、天皇がこれを認証します。首相は国務大臣を任意に罷免することもできます。
2-3. 閣議

内閣はその職権を行使する際に、**「閣議」**を開きます。

  • 主催:内閣総理大臣
  • 決定方法:出席した国務大臣の全会一致で内閣の方針が決定されます。
  • 役割:首相は、閣議で決定した方針に基づいて行政各部(各省庁)を指揮監督します。
2-4. 組閣の手順

内閣を組織する(組閣)には以下の手順が踏まれます。

  1. 首班指名:国会が、国会議員の中から新しい内閣総理大臣を指名します。
  2. 親任式:天皇が内閣総理大臣を任命します。
  3. 大臣任命:内閣総理大臣が国務大臣を任命します。
  4. 認証官任命式:天皇が国務大臣の任命を認証します。これにより内閣が完成します。
  5. 補職辞令:内閣総理大臣が国務大臣の職を指定します(例:外務大臣を命ずる)。
2-5. 内閣に置かれる機関

狭義の内閣は「大臣の合議体」を指しますが、内閣の事務を補助するために、以下の補助部局が設置されています。

  • 内閣官房:内閣および首相を直接補佐・支援する機関。閣議事項の整理や省庁間の総合調整を行います。トップは国務大臣である内閣官房長官です。
  • 内閣府:内閣のもとに置かれ、多くの省を統括します。首相が直接管理し、政府の総合的な施策や他省に属さない仕事を行います。金融庁などが内閣府に属します。
  • その他:法律に基づき、デジタル庁復興庁内閣法制局国家安全保障会議などが内閣に設置されています。また、人事院は「内閣の所轄の下」に置かれます。

3. 行政書士と内閣の知識

行政書士試験において、内閣の権限や組織、国会との関係(議院内閣制)は頻出のテーマです。特に、内閣の権能(政令の制定、条約の締結、予算の作成など)や、各大臣の権限、閣議のルールなどは正確に覚えておく必要があります。許認可申請業務などを行う際、その根拠となる政令がどのようなプロセスで制定されるのかを理解しておくことは、実務の土台となります。


本日のまとめ
  • 内閣は**「行政権」を担当する最高機関であり、「議院内閣制」の中核**をなす。
  • 内閣は国会の信任に基づいて成立し、衆議院は内閣不信任決議権を持つ。
  • 内閣は内閣総理大臣国務大臣で構成され、意思決定は閣議全会一致で行われる。
  • 内閣の職務を助けるため、内閣官房内閣府などの補助機関が置かれている。

今回は、行政の要である「内閣」について詳しく見てきました。国会と内閣の関係性をセットで理解することが、統治機構をマスターする鍵です。

次回は、三権分立の最後の一つ、「司法権」を担う**「裁判所」**について掘り下げていきます。

引き続き、行政書士試験合格に向けて頑張りましょう!

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