電気代の「無駄」に気づいてる?契約容量(アンペア数)を見直すだけで年間○円節約できる話

漠然とした節電努力、もうやめませんか?

40代になって、将来のお金のことを考える時間が増えました。特に、毎月自動的に引き落とされる固定費は、家計に重くのしかかりますよね。その中でも、特に見過ごされがちなのが「電気代」です。

「電気をこまめに消す」「使わないコンセントは抜く」「エアコンの温度設定を気にする」…こういった地道な節電努力、もちろん大切です。でも、もし、あなたが毎月払っている電気代の中に、気づかないうちに「無駄」が含まれていたらどうでしょうか?

実は、多くの人が、自分の家の実態に合わない高い電気料金を払い続けている可能性があります。その原因は、多くの人が見落としている「契約容量(アンペア数)」にあるかもしれません。

この記事では、電気代の仕組みを根本から見直し、契約容量を最適化することで、年間数万円の節約を実現する方法を、40代の私自身の体験談も交えながら、分かりやすくお伝えします。

【見落としがち】電気代の基本料金は「契約容量」で決まる

電気料金は、主に「基本料金」と「従量料金」の二つの要素から成り立っています。

  • 基本料金:電気を供給するために必要な設備代や固定費。
  • 従量料金:実際に使用した電力量(kWh)に応じて課金される料金。

このうち、私たちが無意識に払い続けている「無駄」の大部分は、この「基本料金」に潜んでいます。そして、この基本料金は、あなたが電力会社と結んでいる「契約容量(アンペア数)」によって決まるのです。

契約容量(アンペア数)とは、一度に家の中で使える電気の量の上限のことです。このアンペア数が大きいほど、たくさんの家電を同時に使うことができますが、その分、基本料金も高くなります。

東京電力の「従量電灯B」プランを例に挙げると、アンペア数ごとの基本料金は以下の通りです。

  • 10A:286円00銭
  • 15A:429円00銭
  • 20A:572円00銭
  • 30A:858円00銭
  • 40A:1,144円00銭
  • 50A:1,430円00銭
  • 60A:1,716円00銭

仮に、現在50Aで契約しているご家庭が、ライフスタイルを見直して30Aに変更した場合、基本料金だけで毎月572円(1,430円 – 858円)、年間では6,864円もの節約になります。このように、契約容量の無駄を見直すだけで、大きな金額の節約につながるのです。

あなたの家は大丈夫?最適な契約容量を知る方法

では、あなたの家の契約容量は適正でしょうか?まずは、現在の契約容量を確認してみましょう。

1. 現在の契約容量を確認する方法

  • 電気料金の検針票を見る:毎月届く検針票に「ご契約アンペア」「ご契約種別」として記載されていることが多いです。
  • 電力会社のWebサイトで確認する:会員ページにログインすると、契約情報が確認できます。
  • ブレーカーを見る:多くの場合、分電盤のブレーカー部分に契約容量が記載されたシールが貼られています。

2. 最適な契約容量を見つける目安

契約容量は、主に「一度に使う電化製品の合計電流(A)」で考えます。一般的に、一人暮らしなら20A~30A、二人暮らしや家族暮らしなら30A~40Aが目安とされています。

具体的な目安を、主要な家電の電流(A)で見てみましょう。

  • 電子レンジ:10~15A
  • ドライヤー:10~12A
  • エアコン(6畳用):6A
  • IHクッキングヒーター:20~30A
  • 冷蔵庫:2~3A
  • テレビ:2~3A

例えば、朝の時間帯に「ドライヤー(12A)」と「電子レンジ(15A)」を同時に使うと、合計で27Aになります。これに冷蔵庫や照明などの待機電力が加わると、30Aの契約容量ではブレーカーが落ちる可能性があります。

しかし、これらの家電を同時に使う頻度はどれくらいでしょうか?もし、常にブレーカーが落ちないようにと必要以上に高い契約容量を選んでいるなら、見直しの余地があります。

ブレーカーが落ちるリスクについて

契約容量を下げすぎると、一度に多くの電気を使った際にブレーカーが落ちてしまうというリスクがあります。しかし、これは一時的なもので、落ちたブレーカーを上げればすぐに復旧します。 もし、月に何度もブレーカーが落ちて生活に支障が出るようであれば、契約容量が適正でない可能性がありますが、「一度もブレーカーが落ちたことがない」という場合は、確実に容量を下げられる可能性があります。

【実践】契約容量を変更する具体的なステップ

「よし、契約容量を見直そう!」と決めたら、次のステップで行動に移しましょう。

1. シミュレーションで効果を確認する

まずは、電力会社のWebサイトや料金シミュレーションツールを使って、契約容量を変更した場合にどれくらい電気代が安くなるか確認してみましょう。 多くの電力会社では、過去の電気使用量データを元に最適なプランを提案してくれるサービスを提供しています。

2. 電力会社へ連絡する

  • 現在の電力会社に連絡:Webサイトの会員ページ、または電話で変更手続きを行います。
  • 手続きに必要な情報:お客様番号、現在の契約容量、変更したい契約容量など。
  • 工事の有無:多くの場合は、電力会社が遠隔で切り替え作業を行うため、立ち合いは不要です。しかし、アンペアブレーカーの交換が必要な場合は、立ち合いが必要になることがあります。

3. 手続き完了

手続きが完了すると、次の検針日以降から新しい料金が適用されます。この小さな一歩が、毎月の家計に大きなゆとりを生み出すのです。

さらに差がつく!「電力会社・料金プラン」の見直し術

契約容量の見直しだけでも大きな節約になりますが、さらに差をつけるには「電力会社・料金プラン」そのものを見直すことが効果的です。

電力自由化によって、私たちはたくさんの電力会社の中から、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことができるようになりました。

  • 新電力会社への乗り換え
    • メリット:大手電力会社よりも安価なプランを提供していることが多いです。
    • デメリット:会社によっては、サービス内容やサポート体制が異なる場合があります。
  • ライフスタイルに合わせた料金プランの選択
    • 夜間割引プラン:深夜に電気を使うことが多い人向け。
    • 日中割引プラン:テレワークなどで日中に電気を使うことが多い人向け。
    • ガスや携帯電話とのセット割:他サービスとセットで契約することで割引が適用されるプラン。

ご自身の電気の使い方を一度振り返り、最適なプランを比較検討してみましょう。

【おまけ】今すぐできる!効果的な節電テクニック

契約内容の見直しと合わせて、日々の小さな節電も継続することで、さらなる節約効果が期待できます。

  • 冷蔵庫の詰め込みすぎに注意:冷気の循環が悪くなり、余分な電力を消費します。
  • 待機電力をカット:使用していない家電のコンセントを抜く、またはスイッチ付きの電源タップを活用しましょう。
  • エアコンはフィルター掃除をこまめに:フィルターが汚れていると、余分な電力を消費します。
  • 照明はLEDに交換:白熱電球に比べて消費電力が少なく、長持ちします。

まとめ:家計の未来は、小さな見直しから始まる

電気代は、毎月必ず発生する固定費です。だからこそ、少しでも無駄をなくすことが、家計の改善に直結します。

この記事でご紹介したように、電気代の節約は「こまめな努力」だけでなく、「契約内容の見直し」という根本的な部分からアプローチすることが非常に重要です。

「我が家は大丈夫だろうか?」と少しでも気になった方は、まずは今すぐ電気料金の検針票を見てみましょう。そして、ご自身のライフスタイルに合った契約容量や料金プランについて、少し調べてみてください。

その小さな一歩が、きっと、あなたの家計に大きなゆとりをもたらしてくれるはずです。

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