水道料金の急上昇に備えよ!家計を守るための必須節約術

日本の水道事業は、老朽化したインフラと人口減少という二大課題に直面しています。これにより、今後の水道料金は値上げの傾向が続くと予想されます。以下では、その背景と要因、自治体の対応策、家計への影響、そして将来の見通しについて詳しく説明します。

1. 水道料金値上げの背景と要因

日本の水道インフラは、主に高度経済成長期に整備されたもので、多くの水道管が寿命を迎えつつあります。これにより、老朽化した水道管の交換や維持管理に多額の費用が必要となっています。老朽化した水道管は、サビやスケールの蓄積による管径の縮小、水圧低下、赤水や濁りといった水質悪化、さらには漏水や破損のリスクを高めます。これらの問題を解決するためには、計画的な更新(交換・再構築)が不可欠です。

さらに、少子高齢化による人口減少、特に地方での過疎化は、水道利用者の減少をもたらし、水道料金収入の減少に繋がっています。収入が減少する一方で、水道インフラの維持・更新に必要な資金が不足し、老朽化した水道管の交換が進まない状況が生じています。

また、水道インフラの維持管理を担う技術者の高齢化や人材不足も深刻化しており、点検や修繕の遅れが発生し、老朽化した水道管の交換が後回しになる一因となっています。人手不足により、たとえ財源があっても急激な工事量の増加が困難になる可能性も指摘されています。

2. 自治体の対応策と広域化の動き

これらの状況に対応するため、自治体によっては水道事業の広域化(事業統合や業務の共同化)を模索したり、水道事業の運営を民間に委託したりする動きが見られます。広域化は、施設の統廃合や再配置、業務の一体化による経費削減、知識を持つ人材の確保などを通じて事業基盤の強化が期待されています。

広域化のメリットとしては、経費削減や効率的な資源配分が挙げられます。例えば、複数の自治体が共同で水道施設を運営することで、設備投資や維持管理のコストを分担し、効率的な運営が可能になります。また、広域化により、技術者の確保や育成が容易になり、技術力の向上が期待されます。

一方で、広域化には課題もあります。自治体間での調整が必要であり、地域ごとのニーズや条件に応じた柔軟な対応が求められます。また、広域化によるサービスの均一化が進むことで、地域特有のサービスが失われる可能性もあります。

3. 家計への影響と節約対策

水道料金の上昇は、光熱費全体の負担増として家計に影響を与えます。特に、公共料金に関する意識調査では、約97%の人が公共料金の値上げを実感しており、特に9割以上の人が支払額の増加を実感していると回答しています。負担を感じる公共料金のトップは電気代ですが、次いでガス代、水道代が続いています。

家計への影響を軽減するためには、以下のような節約方法や支払い方法の見直しが考えられます。

  • 水の出しっぱなしをやめる:歯磨きやシャワー、食器洗いの際に意識することが大切です。
  • 節水モードのある家電を使う:節水モード付きの洗濯機や節水シャワーヘッドなどが効果的です。
  • 水を再利用する:お風呂の残り湯を洗濯や掃除、植木の水やりなどに使う方法があります。
  • シャワーの使い方を見直す:シャワーを出しっぱなしにする時間を減らしたり、湯船にお湯を溜めて入浴したりすることで節約につながる場合があります。
  • トイレのレバーを使い分ける:大小のレバーを使い分ける、なるべく流すのは1回に抑える、排水量を調節できる節水グッズを取り付けるといった工夫があります。
  • 食器はまとめて洗う:しつこい汚れは先に落としておき、食器をまとめて一度に洗うことで節約できます。
  • 水道局で配布している「節水コマ」を使う(もし配布があれば)。
  • 洗濯物はまとめ洗いする
  • 支払い方法を見直す:口座振替やクレジットカード払いにすることで、支払い忘れを防いだり、自治体によっては口座振替割引が適用されたりする場合があります。クレジットカード払いであれば、ポイント還元も期待できます。

もし水道料金の支払いが困難になった場合は、すぐに住んでいる自治体の水道局に連絡して相談することが重要です。分割払いや納付期限の猶予、あるいは水道代の減免に応じてもらえる可能性があります。生活が困窮している場合は、生活支援費や住居確保給付金などの公的な融資や給付金を利用することも考えられます。生活保護申請中または受給中の場合は、多くの場合、水道代の供給停止までの期間を猶予してもらうことができます。借金の返済が原因で水道代が払えない場合は、弁護士に相談して債務整理を検討することも一つの方法です。

4. 近年の値上げ動向と将来の予測

近年、多くの水道事業者が料金の値上げを実施しており、2017年以降はほとんどが値上げとなっています。2024年には全国の事業者の3割超が水道料金を上げ、その数は少なくとも82事業者にのぼると報じられています。さらに、値上げ率は最大で4割近くに達している例があること、そして、こうした久方ぶりの料金改定では平均改定率も20%以上と高率になる傾向があることが指摘されています。具体的な例として、秋田県にかほ市が37%、島根県津和野町が40%、愛媛県松前町が35.2%、埼玉県戸田市が33.7% の値上げを実施または予定していることが挙げられています。千葉県営水道や埼玉県水道用水供給事業といった用水供給事業者でも20%台の値上げ方針が発表されており、これが市町村水道の料金に波及する可能性が高い状況です。

2046年度までには、全国平均で約48%の値上げが必要と推計されています。これは、2021年の実績値と比較して、約48%の増加となります。過去の推計結果(2015年起点、2018年起点、2021年起点)における全国平均の料金値上げ率も、それぞれ34%、36%、43%と上昇傾向にあり、今回の推計(2021年起点)で約48%となったことが示されています。

ただし、この推計は赤字となる年度に一度に値上げをする想定で行われていますが、実際には段階的に値上げが行われると考えられるため、グラフで示されるような急激な上昇ではなく、より緩やかに料金が上がると考えられています。

5. 地域ごとの価格差と将来の見通し

水道料金は自治体が管理しているため、地域ごとの価格差が大きいという特徴があります。2021年時点でも全国で約8.0倍の格差がありましたが、2046年度にはこの格差がさらに広がり、20.4倍になると推計されています。給水人口が少ない事業体や人口密度が低い地域ほど、料金値上げ率が高くなる傾向が見られます。

これらの情報から、近年の個別の値上げで20-30%(またはそれ以上)といった高率な改定が見られる状況は、人口減少と老朽化という構造的な問題に起因しており、その影響は将来さらに顕著になると予測されています。20年後の目安としては、全国平均で見た場合、現在より約48%程度の値上げが必要となる可能性が推計されています。しかし、これはあくまで全国平均の推計であり、お住まいの地域によっては、これよりも大幅な値上げが必要となる可能性も、比較的値上げ幅が抑えられる可能性もあると考えられます。

結論

日本の水道料金は、老朽化したインフラと人口減少という課題により、今後も値上げの傾向が続くと予想されます。自治体は広域化や民間委託を通じて効率化を図っていますが、家計への影響を軽減するためには、節水や支払い方法の見直しが重要です。将来的には、全国平均で約48%の値上げが必要と推計されていますが、地域によってはさらに大幅な値上げが予想されるため、個々の状況に応じた対策が求められます。

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