第5回:【安全性分析】自己資本比率と流動比率で、企業の「守りの硬さ」を徹底解剖 ~ニデック、6,000億円の在庫が隠す「資金繰り」の真実~

こんにちは。 「マラソンランナー」を想像してみてください。 フルマラソンを走り切るには、全身の筋肉量や持久力(=自己資本比率)が必要です。 しかし、どんなに筋肉ムキムキでも、レース中に飲む「水(=現金)」を持っていなけれ…

第4回:【収益性分析】ROEとROAを使いこなし、「稼ぐ効率」の本当の意味を知る ~ニデック、かつての高収益マシンが「年利3.5%」に劣化?~

こんにちは。 突然ですが、あなたに2つの投資話が舞い込んできたとします。どちらの経営者に大切なお金を預けたいですか? A社長: 「1億円を投資してくれれば、1年間で1,000万円の利益を出してみせます!」 B社長: 「1…

第3回:【キャッシュ・フロー計算書】企業の「リアルな現金の動き」を追う ~ニデック、巨額赤字でも「現金が増える」会計マジックの謎~

こんにちは。 「黒字倒産」という言葉がありますが、その逆もまた真なりです。 つまり、**「どんなに赤字でも、現金さえあれば会社は潰れない」**のです。 Amazon創業者のジェフ・ベゾスが、創業期に赤字を出しながらも株価…

企業分析マスター講座(実践編) 第1回:【損益計算書】企業の「稼ぐ力」を知る ~ニデック、過去最高売上の裏で起きた「利益8割減」と「会計の闇」~

こんにちは。 「決算書なんて、難しくて数字の羅列にしか見えない…」 「ニュースで『過去最高売上』と聞いたから買ったのに、なぜか株価が下がって損をした…」 もしあなたが一度でもそう感じたことがあるなら、この記事はあなたの投…

第9回:【定性分析②】経営戦略とリスク分析 ~「計画倒れ」の常習犯? 日産経営陣が描く未来図と、迫りくる3つの脅威~

「今度こそ、生まれ変わります」 「この計画なら、必ず復活できます」 業績が悪化した企業の社長は、必ずと言っていいほど華々しい**「中期経営計画」**を発表します。 美しいパワーポイント、右肩上がりのグラフ、そして「V字回…

第8回:【定性分析①】ビジネスモデルと競合比較 ~天才的な「標準化」戦略はなぜ失敗したか? トヨタとの決定的な「使い道」の差~

「数字は嘘をつかない」。 これまで7回にわたり、日産自動車の決算書という「カルテ」を読み解き、その病状(赤字・借金・効率悪化)を確認してきました。 しかし、数字はあくまで「結果」です。 なぜ、かつて「技術の日産」と呼ばれ…

第7回:【成長性・割安性分析】売上と利益の「伸び」と、株価の「お得感」を測る ~日産自動車は「お買い得なバリュー株」か? それとも「安物買いの銭失い」か?~

「株価が下がっている今こそ、買い時じゃないか?」 「腐っても日産。いつか復活するなら、今のうちに仕込んでおけば大儲けできるのでは?」 暴落した有名な企業の株を見て、そう心が揺らいだことはありませんか? 株式投資の世界には…

第6回:【株主還元分析】その企業は「稼いだ利益」を株主にどう返しているか? ~日産自動車「配当0円」の必然性と、配当性向100%の危険な罠~

「寝ていてもお金が入ってくる」。 株式投資の最大の魅力の一つが、この**「配当金(インカムゲイン)」**ですよね。 最近は「高配当株投資」や「FIRE(経済的自立)」ブームもあり、株価の値上がりよりも、毎年確実にもらえる…

第5回:【安全性分析】自己資本比率と流動比率で、企業の「守りの硬さ」を徹底解剖 ~金利8%の借金を背負う日産の「生存ライン」と、見せかけの資産価値~

「借金をしてまで投資をするのは、悪いことですか?」 投資の世界では、借金は必ずしも悪ではありません。 例えば、金利1%でお金を借りて、利回り10%のビジネスができれば、自分の財布を痛めずに大儲けできます(レバレッジ効果)…